X-Transセンサーが苦手な被写体。ベイヤー機も持っていたい。
よしかずです。
FUJIFILM Xシリーズが大好きなのですが、予算的な都合と、趣味的な興味で、今の主力はマイクロフォーサーズ…
Xシリーズのセンサー「X-Trans」の描写は精細で素晴らしく、「これならフルサイズでなくてもいい」と、EOS 5D Mark2を手放すきっかけになりました。
ではなぜマイクロフォーサーズにも手を出したのか。
Xシリーズのレンズが高いから…というのはアレとして(笑)「この2つなら、Xシリーズの方がセンサーが大きいし上位っぽい(静止画では)。Xシリーズだけあれば充分じゃないの?」
と思っていたのですが、ある時、X- Transセンサーを搭載したカメラで撮影したところ、気になる現象があり、「これはベイヤーセンサー機も持っていたほうが良いかも…」と思い、マイクロフォーサーズのシステムも使い始めました。(欲しかっただけかも汗)
僕が「X-Transセンサーの構造による現象」と予想している事を、書いていきます。
X-Transとは?ベイヤーとは?
すみません、それをここに書こうと思ったのですが、書いているうちにすごく長くなってしまいそうで、今回の記事で書きたい本題に、なかなかたどり着かなくなってしまうので、別記事にしました!
印刷物を撮影した時、X-Transの弊害?が
僕は、何でも撮りたい派なので、買ったもの、貰ったもの、食べたもの、見たものなど、結構何でも撮っています。
そしてある日、レンズメーカー「TAMRON(タムロン)」の素敵なカタログをお店で貰ってきたので、何気なく表紙を正面から撮りました。
すると、今まで見なかったような現象が起きました。
撮影した表紙ですが、まだらのようになっています。
そしてそれを拡大してみると、なんだか変な模様が…
ラーメンどんぶりの柄みたいです。
先の写真はJPEGですが、LightroomでRAW現像した写真がこちらです。
うーむ…より強調されてしまっているような。
写真は補間処理によってつくられる
これは、X-Transセンサーの補間パターンによって起きる現象だと予想します。
補間処理とは?というのもまた長くなるので別記事としますが、ざっくりいうと、イメージセンサー上には色を判別する「カラーフィルター」というものがついてまして、その配列が、FUJIFILMのX-Transセンサーは、一般のカメラと違うパターンになっています。
どちらのカメラも、このセンサーから得た情報をもとに演算を行い、写真を作り出します。
その演算方法が、カラーフィルターの配列パターンによって違います。また、それにより出来上がる写真の特徴も違うようです。
X-Transセンサーは、一般的なベイヤー配列よりも配列の規則性を弱め、モアレを出にくくし、解像感を高くしているとのことです。
詳しい理屈はわかりませんが、X-Transセンサーから生み出される写真は確かに素晴らしく、X-Pro1が発売された時に、ネットのレビューで写真を見た時に「これはすごい!」と思って、自分で手にしてしばらく使ってみて、フルサイズを手放すに至りました。まさにクラスを超えた写り。
ですが、イメージセンサーからの情報をもとに、演算によって写真を作り出しているので、どこかに不都合が出てもおかしくはありません。撮影したものをそのまま写し取って写真ができているわけではないのですね。これはベイヤー配列のセンサーも一緒です。
経験上ですが、ベイヤー配列のセンサーで、こんなふうに印刷物を撮った場合は、何らかの不具合は出ることがあるかもしれませんが、Photoshop等でなんとか修正できるレベルと思います。
ところがX-Transセンサーで、このように写ってしまった場合、Photoshop等でも修正は困難です。めちゃめちゃぼかすとか、塗りつぶすとかすることになるでしょう。
撮影時にこの現象を回避する方法としては、カメラと被写体(印刷物)の距離を離すと、現象が収まったり、軽減されたりします。
印刷物は「網点(あみてん)」でできている。
なぜこんなふうに写るのか…?
一般的な印刷物の紙面は「網点(あみてん)」でできています。
例えば、濃い水色の所と、薄い水色の所があったとして、濃い所も、薄い所も同じインクで印刷されています。
なぜ濃い所と薄い所になるかというと、紙に印刷されるインクに、すき間を作って表現しています。色の濃淡を、点の大きさで生み出しているのです。
この点は非常に小さいので、普段雑誌などを見ていても気にならないものです。
印刷物を、拡大率の高いルーペなどで観てみると、網点を見ることができます。
カメラのイメージセンサーはとても高精細なので、網点をとらえることができます。
とらえることはできるのですが、ここで「そのまま写真になるわけではなく」「演算」によって写真が作られる、という事が出てきます。
このぐるぐる中華模様は、センサーが捉えた印刷物の網点を、「演算」で正しく再現できていない事で発生しています。
特にX-Transセンサーは、配列が特殊な分、演算パターンも特殊だと思いますので、こういった事になるのだと思います。
これはかなり特殊な例。普段は全く問題なし。
普段いろいろなものを撮っていて問題ないのはなぜ?
普段いろんな物を撮っていて、こんな風になることはありません。それはなぜか?
ものすごく雑な言い方で言うと「世の中の普通の物は、網点でできていないから」です(雑)。
自然界でも人工物でも、印刷物のように「規則正しい点の羅列」で出来ているものはありません。
なので、日頃の撮影では問題ないのです(ざっくり)。
印刷物を撮っても問題ない時もある。原因は「波長」
最初に「何でも撮る派」と書きました。なので、印刷物を撮るのも今回が初めてではありません。
今回の例としたパンフレットの前にも、その後にも、たびたび本の表紙など撮っています。表紙とか撮っとくの好きなんです(^^)。
それで今まで全然問題なかったのですが、今回の現象を見て「ピンと来た」ので、記事にしてみました。
カメラのイメージセンサーは、例えば2000万画素のカメラなら、イメージセンサー上に2000万個の、光をキャッチする「素子」が規則正しく並んでいます。
印刷物の紙面も、網点が規則正しく並んでいます。
この「センサーの素子」と、「印刷物の網点」という「規則正しく並んだもの同士」の「波長(周波数)」が、たまたま悪さをする条件にハマると、今回のような現象になります。
例えば、カメラのセンサーが、印刷物の網点を判別できないくらいに距離を離して撮影すれば、この現象は収まります。
または、もっとはっきりと「点」を「点」として、カメラのセンサーがキャッチできるように近づくことでも、この現象は収まるでしょう。
今回の例は、そのどちらでもない、網点の羅列はキャッチしているけれど、はっきりと点として再現できるほどの情報を捉えているわけではない、そんな状態で、捉えた情報を再現しようとして(でも結局できなくて)こうなった。ということです。
修正できるなら弱点ではない。
この現象を「X-Transセンサーの弱点」として書くのは「修正が困難だから」
印刷物の網点を撮影して不具合が出るのは、ベイヤーセンサーも同じです。条件によっては。
しかし経験上ですが、ベイヤーセンサーで出る不具合と、X-Transセンサーで出る不具合は違います。ベイヤーセンサーで印刷物を撮っても、こんなグルグルは見たことがありません。
ベイヤーセンサーによって出る不具合は、写真を作る「演算方法」が素直なぶん(なのかな?)、Photoshop等での修正も可能です(それでも手間ですが)。
でもこのX-Transセンサーで出るマダラとぐるぐる中華模様は、Photoshopでも修正は困難(不可能?)です。思い切りぼかすか、塗りつぶすか。それが使えるでしょうか。
修正できるなら、別に弱点でもなんでもないです。修正が不可能なくらい困難なので、弱点というわけです。
後日、加筆します。
すみません、本当は同じパンフレットをベイヤー配列のカメラで撮影して比較するのが一番よいのですが、今そのパンフレットを紛失してしまっています(滝汗)
では違うものを今撮って比較すればと言うことなのですが、諸事情でXシリーズのカメラで撮影することができません。
なのでこれは説得力に欠けるものになっています…。
X-Transセンサーだけの事なのか、ベイヤーセンサーでも同じことが、または別の現象が起きるのか。
これは僕もはっきりさせたいので、後日必ずこの記事を完全版にします。
現状言えることは、
「カメラの使い道に、印刷物の複写という用途がある場合、X-Transセンサーのカメラでこういった現象が起こることがありますので、注意が必要です」
ということです。
弱点がこのままでもXシリーズは使い続けたいです。
X-Transセンサーの苦手を書いてきましたが、Xシリーズの使用をやめるつもりは全くありません。
重ねて書きますが、XシリーズのX-Transセンサーは、僕がフルサイズを手放すことを決意したクラスレスの画質を持っていると思います。
でも、その画質を実現するために特殊な構造になっていて、今回のような弱点が発生したのでしょう。
もし…この弱点がなくなる代わりに普通の写りになってしまうなら、このままでいいです。発生頻度は少ないですし。
使い分ければよいだけです(^^)。
どんなカメラでも得意不得意があります。
だからいろんなカメラがあると。
自分に合うカメラを自由に使いたい。
です。
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